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2001.5.22

真実について考える。

子どもの頃から私は私自身を見て欲しいという欲求が強かった。どーいうわけか私の周りの友達は、おうちがお金持ちだったり、家柄が良かったり、家族が上品(!)だったりで、豪華な雛祭りなんかにお呼ばれする度、子ども心にコンプレックスを感じていたからだ。

だから、何ものにも惑わされず、「私自身が強く信じて求められる」ということを自分の人生の目標に置いていた。しかも5歳くらいから。なんとも嫌なガキだ。

人一倍お祭り騒ぎが好きなくせに、いつも「それって真実(ホント)?」と心に問い掛けていたから、小学6年の頃の「口裂け女」ブームにも冷静だった。

自分のポジションをド真ン中に置いておきたかったから、わざと両極端なコトを試しては「うーん、なるほどここが真ン中かなぁ〜。」なんて探ってた。今振り返るとマスコミを志望したのは当然の成り行きだったのかもしれない。

そんな気持ちは、友達とか好きな人なんかができるときももちろん核になった。「一緒に真実って求めてくれるかな」って。

・・・、ちょっと重いよねっ。

でもさ、学校に行っても、グループ作って一緒にトイレ行って、代わりに男の子に告白してもらって、他のグループの子たちとは絶対しゃべったりしない・・・、なんてことにくだらなさを感じてた。学生時代の私には親友なんていないかもしれない。もちろん何人か親友と思ってる友達もいたけれど、向こうも私もどこか遠慮してた。

「頑張れば頑張るほど友達ができる」なんてウソだと判った。「頑張るほどに友達は少なくなるんだ」と悟った。

中学2年の時、担任の先生に「空しいから出家したい」と言ったら、先生が母ちゃんを呼び出して「何かあったんですか!?」なんて責めるから、母ちゃんショックで泣いちゃった。

もう2度と心配掛けたくないからこーいうこと口に出すのは止めようと誓った。でも、誰のせいにもせずに一人生きてゆくには少し寂しいな、なんてこれからの自分の人生を思うと、勇気が必要だった。

そんな時、尾崎の曲に出会った

♪ 僕が僕であるために勝ちつづけなきゃならない

  正しいものはなんなのか それがこの胸に解かるまで

  僕は街にのまれて 少し心許しながら

  この冷たい街の風に歌い続けてる 

         (「僕が僕であるために」by尾崎豊)

ここにいた。『真実の人』!!

「この人も、『真実』を求めてる!」じわ〜っと静かに静かに頭と体ン中が充電されていくのを感じた。ああ、あたし、間違ってないのかな。このままでいいのかな。

それまでサザンを聞いても、ユーミンを聞いても心を動かすことなんてなかったのに。自分でも歌でこんなに癒されるなんて信じられなかった。

以来、何かある度に私は尾崎を取り出して心を癒している。

今から10年前、私が名古屋CBCで新人アナウンサーになったばかりの4月25日、尾崎が死んだ。私はただ静かに「終わった」と思った。そして「ありがとう、私は迷わず強く生きるね」と誓った。

死をきっかけに尾崎ブームが巻き起こった。今まで聞いたことのない「大人たち」が聞き出した。

「今夜、岐阜県××市の**寺で、亡くなった尾崎豊さんの歌に感銘を受けた住職が境内で追悼ビデオコンサートを開きます。」というニュースを自分で読んだ私は、居ても立ってもいられず、勤務が終わった後、電車を1時間半も乗り継いでその寺へ向かった。

40代のご住職が、「ようこそ」と出迎えてくれた。境内には大型スクリーンが吊るされ、尾崎のライブビデオが流れている。集まった人たちはほとんどが若者で、みんないとおしげにスクリーンの尾崎を見つめている。無言だ。特に語り合う必要なんか、もうそこにはないからね。

初めて住職と言葉を交わしたのはコンサートが終わってからだった。

住職 「お帰りはどちらまで?」

 私 「名古屋の栄に・・・。」

住職 「ええっ!電車ないかもしれんよ。

驚く私を更に驚かせたのは住職のこの言葉。

住職 「誰か、名古屋方面に行く人がいたら、この人を送ってあげてください。

そ、それはちょっと・・・。断ろうかと思ったら、なんと一人の男の子が手を上げた。ご住職は良かった、良かったとニッコリ。

普段だったら行けるトコまで電車で、そしてその先はタクシーで帰ったところなんだろうけど、私は賭けた。彼も『真実』を求めてるはずだと。覚悟を決めて助手席に乗り込んだ。

 私 「あの、このコンサートは何で知ったんですか?」

男性 「ああ、今朝CBCラジオのニュースで聞いて。で、会社終わってすっ飛んで来たんですよ。」

マジ!!それ、アタシじゃん!!

それを告白しようかどうしようか迷った時

男性 「君は?今日仕事だった?」

 私 「・・・、実はそのニュース読んだの私です。

男性 「え!?CBCのアナウンサーの人??」

やっぱ驚くよな〜。

しかし、お互いこんなところまで足を運んでしまうほどの尾崎ファン。すっかり尾崎の話で打ち解けてしまった。

すると彼がいつの間にか恋愛の話を始めた。彼女との価値観の違いに苦しくなってきているらしい。

「俺の彼女はまだ若いせいか、なんか上辺だけっていうか・・・。」

その言葉を聞いて、やはり彼も「真実」を探しているんだと感じて嬉しかった。

原元さんは?そーいうことで悩んだりしたことありますか?」

げ!?フツー聞くかぁ?初対面だし、一応アナウンサーなんて人前に出る職業だし、それに今車内に二人きりだし・・・。

どうしよ。でも今夜はウソをつきたくない。

尾崎ファンの間ではウソをつくというのは、彼の歌のメッセージを判っていないに等しい。我々には自然と築き上げられた連帯感がある。なによりそんな小ちゃいコトでウソつく自分が嫌だ。シャコージレーとかオセジとかくそくらえだと思ってた。

「あるよ。私だって・・・。尾崎の歌に出てくるような恋愛をしたいと思ってた。雑誌なんかで「恋の駆け引き」なんかが特集されていると、ばかじゃないかと思っていた。駆け引きの必要な恋愛なんて『真実』ではないと思ってたからね。でも、実際はさぁ・・・」

語りだした私の言葉を彼は静かに聞いてくれた。同情したフリや不必要なリアクションなんかなく、やっぱり静かに聞いて感想を言ってくれた。そうやって私の感情を受け止めてくれた彼を仲間だと思えた。自分がウソつく女になってなくて良かったと安心した。まだ私は大丈夫って。

「仲間なんていないのかな」って一人強く生きていこうなんて思いながらも、やっぱりどこか寂しく感じてた。それなのに見ず知らずの他人と歌で繋がって共感できるなんて・・・、スゴイよ、尾崎!アンタは私を勇気で救ってくれたよ!

感謝。

そして「頑張るほどに友達は少なくなるけど、『真実の友達』は見つけられる。」と信じられるようになった。だから自分も「真実」を追いつづけようって。


2001.5.15

いよいよ例の財布を取りに警察へ。

心にやましいことがある時、警察に行くのってなんでこんなにビクビクしてしまうんだろう。

自分の財布じゃなくても、大金が入っていた場合、「私のモノです。」とつい口ばしってしまった時に、表情からウソだと悟られないよう帽子を深くかぶって変装。準備万端である。

すっげえドキドキしながら窓口へ。

免許証で身元確認をした後、婦人警官が私に差し出した財布は・・・!

おお、ジーザス!!

なんと

なんと

私の財布であった!!

あまりのショックに口が聞けないでいると、婦警さんが気の毒そうに、

婦警 「路地に捨てられていたところを拾われたんですけど、この間の雨で濡れたのかしら、ちょっとカビちゃいましたねえ。」

と言って中身を見せてくれた。saihu.jpg (10527 バイト)

婦警 「現金は294円しか入っていないんですけど・・・、もっと入ってました?」

原元 「思い出せません。」

婦警 「え?」

原元 「だって、この財布無くしたの、10年前だから!!

今度は婦警さんが口が聞けなくなってしまった。

それにしても、驚いた!渋谷の喫茶店で無くし、どんなに探しても見つからなかったのに、なぜ今頃?しかも六本木で!?

ところで、なぜ私のモノ?だと警察が断定できたのかという謎が解けた。中に銀行のキャッシュカードが入っていて、新しい連絡先を聞き出したそうだ。

10年旅をして私の手元に戻ってきた財布。「この『失われた10年』でいろんなことがあったんだぞ」、と財布に語りかけながら、バブルの頃に一生懸命働いて稼いだバイト代でこの財布をパンパンに膨らませていた自分を懐かしんだよ・・・。


2001.5.11

私が子どもの頃から欲しいと願っていて、努力だけでは手に入れられないものが一つだけ有る。それを弟が先に手に入れてしまった。

「俺、放火犯取り押さえて突き出したら、警察に表彰されることになったから」

原元家では弟が一番平凡だと思っていたのにぃ。こやつあなどれんな。


2001.5.10

4月から始まったTV東京系全国ネット「絶品!地球まるかじり」のロケで横浜中華街へ。

あまりの美味しさに、涙を流して喜んでいたら「こんなリポーター初めて見た」とスタッフ大爆笑・・・!

家に帰って母ちゃんに話したら、怒られた。

「家でウマイもん食わしてないと思われるから、そーいう貧乏人みたいなリアクションはやめてくれっ!!」

今回のロケは6月5日(火)20:00〜21:00放送予定です。何がそんなに美味しかったのかは見てのお楽しみですが、カットされたらごめんよ。


2001.5.9

「あんた、またサイフ無くしたのか!?」

へ?母ちゃんから仕事中に電話が掛かってきたけど、でもそんなハズ無い。だって今手に持ってるもん。

「じゃあ、なんだって警察から『サイフが届いた』って通知が来るんだ?」

「なに、それ!?」

我が家に届いた通知によると、5月7日、私のサイフが警察に届けられたそうだ。

きっと間違いだろうけど、取り合えずモノがモノだけに、一応受け取りに行かねばっ。

ここで、ふと考える。

一体何を根拠に私の物だと警察は判断しているのだろうか・・・?

ハッ!!

こりはひょっとして・・・、

ワナ!?

本当に私のモノならば、届けてくれた人と警察に感謝、感謝なのだが、実際私のモノで無かった場合、空っぽなら問題ないが、なまじ大金が入っていたら、私は「いいえ、私のモノではありません」と正直に言うことができるだろうか・・・?

私は試されている?

危ない、危ない。もう少しで童話「金のオノ、銀のオノ」になるところだった。


2001.5.7

最近発売されて人気の「聞茶(ききちゃ)」

ずっと「闇茶(やみちゃ)」だと思ってた・・・。

だって、「闇鍋」とか「闇米」とかあるじゃん。

ちなみに「聞茶」というのは、『大辞林』にも載っていて、

「@香りをかいで茶の品質や銘を判断すること」

「A茶の味を飲み分けること」、

                     だそうです。


2001.5.5

「ハンニバル」を観る。

が、映画本編よりも印象に残ったのは、コマーシャルであった。

*

高層ビルが立ち並ぶ街に突然現れる謎の飛行物体。不安げに空を見上げる人々。

「アイツは突然襲ってくる!」

映画「インデペンデンス・デイ」なみの凄まじいナレーション。

(え?なに?何のCM?)

明かされる飛行物体の正体とは・・・!?

生理用ナプキン「ウィスパー」っ!!

は?

イキナリの展開にリアクションに困る私たち観客。

しかし、すかさず衝撃のコピーでトドメを刺された。

「これでダメなら、家にいろっ!」

あっ、もうダメ・・・。

ぷっ!

映画館には、こらえられない女性陣の失笑が。あ〜あ、カップルだらけなのになぁ。

結局「ハンニバル」が始まってもまだ思い出し笑いをしていた私は、前半ちっとも頭に入らなかったよ。(泣笑)

*

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