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2000.12.21

19日の神楽坂女声合唱団クリスマス・チャリティー・ディナーショーは大盛況でしたっ!!

TVや新聞など、バンバン取り上げられたのでご覧になった方もいらっしゃるでしょう。

土井たか子さんの前に並んでいた私は、土井さんを映そうとするともれなく私もセットで映る為、母ちゃんもご機嫌。

おかげで、我が家では「偉業を成し遂げた人」のような扱いを受けています。

詳しい話をい〜っぱい書きたいのですが、今日も昨日もあまりの疲れに廃人と化しています。そして明日から2泊3日で福島にロケなので、報告は帰ってきてからということにしたいと思います。

あしからず。


2000.12.19

昨夜はほとんど寝られなかった。今日のディナー・ショーの成功をイメージトレーニングしていた為である。ああ、最近こんなに本番が待ち遠しい夜があっただろうか・・・。

*

会場は、日本でも1,2を争う客席稼働率を誇る一流ホテル「恵比寿ウエスティン・ホテル」!土井たか子さんを初めとする有名人が出演するとあって、ホテル側もいつにも増して緊張しているようだ。

X'mas00.jpg (13991 バイト)といっても一番緊張すべきは私たち。これだけ大掛かりなコトやるんだもの、半年間の練習の成果を出し切ってもまだ足りないくらいである。衣裳を身にまとい、直前リハにも熱が入る。

全員揃うのは今日が初めてなので、ステージでの並び順を決めたところ、背の順で私は前列のほとんどセンター!(ふふふ、ゴマキのポジション取ったりぃ!)

そして、なんと私のすぐ後ろは土井たか子さん!?

う、歌いにくい・・・。というのは、お忙しくて滅多に練習に参加できない土井さんは、当然ながら間違えてしまわれる。すると、その度、「あっ」とか、「あらぁ、いやだわ・・・」とか小さな叫び声を上げるのだ。我らソプラノはクスクス笑って、もー歌えない。

しかも、演説で喉を痛めないように、常に飴玉を持ち歩いているという土井さんは、なんと腰に飴玉の袋をはさんでぶら下げてるのだっ!コシノジュンコの衣裳が泣くが、その姿だけで爆笑モノである!

「ど、土井さんそれは・・・?」と聞くと、「あら舐める?」とみんなに配ってくれました。なんとお茶目な方なのでしょうか?

彼女のおかげですっかり和み、リハーサルは順調に終わった。X'mas.jpg (24233 バイト)

出番待ちの控え室(全員一緒!)では、お化粧ターイム!

昨日シルバーのマニキュアを購入してくださった土井さん、ちゃんと塗ってます。というか塗ってもらってます。ふふふ。

一方、私は本番まで時間をもてあまし、化粧が段々厚くなってくる。そこに鋭い視線が…!?

X'mas11.jpg (15346 バイト)「へぇー、やっぱTV出る人の化粧って違うのねぇ・・・。」

視線の主は・・・、

なんと弁護士&参議院議員福島瑞穂氏っっ!!

あ、あ、あなたの方が私よりTV出てんじゃん!

と、非常になごやかなムードの控え室。本番前に記念写真タイムが繰り広げられた。(左から)吉武輝子さん、辻元清美さん、安藤和津さん、福島瑞穂さん、野中ともよさん、土井たか子さん、小林カツ代団長・・・、と豪華メンバーとパチリ。

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*

さて、18:30にディナーが開始、お客様にはヨーロッパのトラディッショナルなクリスマス料理を堪能して頂いた後、満を辞しての登場!!となる訳であるが、扉の向こうに待機していた我々をショーの前にトイレに立つお客様たちに発見されてしまった。う・・・、かっこ悪っ。

ふと見ると、

「あら、いたいた!美紀ー!」

振り返ると、母ちゃんである。

じーん・・・。

わ、涙出てきた。返事が出来ん。

(気は強いけど)体弱いのに、授業参観や学芸会には必ず来てくれた母ちゃんの姿が頭の中を駆け巡る・・・。

ぐわぁーっ!気分は最高潮!よっしゃあ本番だ!

いよいよショータイム!!

*

X'mas1.jpg (14232 バイト)厳かなムードの「ホワイトクリスマス」のピアノ演奏にのせて、客席後方の扉が開き、我々がキャンドル片手に登場。客席にどよめきが起きる。そりゃそうだわな、政治家や女優さんが自分のすぐ真横通るんだもん。アタシでもビックリするわ。

X'mas2a.jpg (14856 バイト)次々とステージに上る私たち、コシノジュンコのオリジナルの衣裳を身にまとった総勢54名!圧巻(だと思う)!まだ歌ってないのに大拍手である!

尚、一人々々ストールの巻き方が違うのはコシノさん自らがコーディネートして下さったからなのだっ!!

(ちなみに中央のカメラ目線がこの私、クリックすると大きくなります)

指揮者の松尾葉子先生が登場し、さあ華やかに一曲目、「♪もろびとこぞりて」!

「もーろーびとぉー♪」

うおぉぉ、みんなスゲエ声が出てる!これはイケルぞ。歌いながらメンバー全員に自信がみなぎるのが感じ取れる。第一声で成功を確信っ!

ジャーン!

終わると同時に

「ブラボーッ!!」

をいをい、まだ1曲目だぜ。声のする方を見ると、某有名料理評論家のY本氏ではないかっ!はっと客席を見渡すと、加藤タキさんやら奥田英二さんやら、とにかく有名人が柿の種のピーナッツ状態!

うーん、見ごたえがあるのはステージの上だけではないようだ。(うちの母ちゃんは奥田英二氏と目が合ったと浮かれてた。)

さて、ここで我らが小林カツ代団長の登場である!

「皆様今日は謎の合唱団にお越しくださいまして、ようこそ。世間では『量より質』といいますが、我々は『質より量』、20代から70代まで、各種取り揃えております。

「あたくし達は『年寄りだから』元気なんですの、ほほほ。」

次々と名言が飛び出す。私は彼女ほどスピーチの上手い女性を知らない。10秒に1回は確実に笑いを取る彼女に客席も驚愕!「日本にもこんなに洗練されたユーモアのある女性がいたのか!」と思い知らされたに違いない。

さあ、カツ代団長のスピーチとクリスマス・ソングを楽しんで頂きながら、ショーは佳境へ・・・。

そう、我々の真の目的は「動物の為のチャリティー」であるっ!

司会 「サンタさんの元には世界中の子どもたちからたくさんの手紙が寄せられます。そして私たち神楽坂女声合唱団には寂しいクリスマスを迎えようとしている不幸せな動物たちからたくさんのお手紙が届きました。」

X'mas0.jpg (26530 バイト)「動物からの手紙」を朗読するのは女優・倍賞千恵子!

避妊手術の費用に困っているノラの子猫、環境破壊により産卵の場を失ってしまった海ガメのお母さん、被災した三宅島に置き去りにされた牛のおじいさん、間髪入れず次々と役柄を演じ分ける倍賞さんに、客席は(団員も!)感動・・・!

本物の芸を見せ付けられたぁ。

司会 「では、ここで誰の体型に合わせたという訳ではありませんが、メンバーの吉岡しげ美作曲した歌をお聞き下さい。『♪ぞうさんが好きだから』」

来た、私の出番っ!前日倍賞さんが提案し、なぜか私に回ってきた例の役である。みんながどしんと足を踏み鳴らした後、振動でぴょこんと飛ばされるのだ。間が勝負だぞぉ。

「くつしたはかないぞうさん あたしもはかない♪」と始まり、さあ、いよいよ問題の3番!

「どしんとふんづけるぞうさん あたしも どしん!」

(半拍おいて)

今だっ!

ぴょこん!

決まったぁ!跳躍も着地も完璧!ギャグの判った客がどっと吹き出す。やったぜ。

司会 「さて、皆様よくご存知の『ドレミの歌』でこんな替え歌を作ってみました。神楽坂名物『動物の歌』です。それぞれのソリストをご紹介します。」

  「♪ドは動物のド」・・・・・・・・・・・・・・・・コシノジュンコ(ファッションデザイナー)

  「♪レはレスキュー犬のレ」・・・・・福島瑞穂(弁護士・参議院議員)

  「♪ミは三毛猫のミ」・・・・・・・・・・・・・里中満智子(漫画家)

  「♪ファはファロージカ」・・・・・・・・・ジョン・キョンファ(モランボン料理学校理事)

  「♪ソはソマリライオンのソ」・・・・・石島マリ子(ケータリングのマダム石島代表)

  「♪ラはラッコのラ」・・・・・・・・・・・・・・・石坂 啓 (漫画家)

  「♪シはシマウマよ〜」・・・・・・・・・・・大下容子(テレビ朝日アナウンサー)

歌いながら客席に降りて行く私たち、お客さんも手拍子で迎えてくれました。

そして竹下景子さん安藤和津さんらによる心温まる寸劇(コント)も爆笑で、ショーは盛り上がったまま最後の曲「♪We wish you a merry Christmas 」へ。

        「ブラボーッ!」      

                             「ブラボーッ!」

      「ブラボーッ!」                       

ををっ、ブラボーの嵐、スタンディングオベーションの森である!

司会  「アンコールの拍手が無かったらどうしようかと思っておりましたが、『ブラボー』の声まで頂いては、私たちも切り札を出すしかないですね。」

カツ代団長 「はぁい、とっておきのプリマでございます。ご紹介しましょう、土井たか子さんですっ!!

X'mas4.jpg (15215 バイト)土井たか子氏が後方の列から中央へ歩き出すと場内にどよめきにがっ!

カツ代団長 「土井さんが、本来、どんなに優しくて謙虚で素敵な女性かということを残念ながらみなさんはご存知ないんですぅ。では、今日は『夜明けの歌』を歌っていただきます。」X'mas3.jpg (13131 バイト)

ステージ左端のグランドピアの前にたたずみ、ピンスポットを浴びて歌いだす土井さん。

「夜明けの歌よ〜♪」

その美しいソプラノ、張りのある声、プロ級の泣かせるビブラートに、場内は興奮の極地!!マスコミも、各局・各紙来ていましたが、我を忘れて乗り出していました(笑)

これだけでディナーショー25,000円の価値があるだろう。500席完売した時には「お客様に後悔だけはさせたくない」と責任を感じていましたが、「これは珍しいものを見れた」と、皆さん大変ご満足の様子でした。土井さんよ、ありがとう!!大成功ですっ!!

絶滅寸前の野生動物から被災地に取り残された動物、地域猫の避妊手術の支援まで、売上は全額恵まれない動物たちのために寄付いたします。ありがとうございました。

*

X'mas7.jpg (18035 バイト)ご機嫌で控え室に戻る途中、倍賞千恵子さんと一緒になった。つかつかと大またで口笛を吹きながら歩く姿がメチャクチャ粋なんだね、これがっ!!ヨッ、女寅さん!って感じである。マジでかっこいいっす。

さて、ショーが終わった後、私にはメインイベントが控えていた。そう、あの里中満智子先生に話し掛けること!!デジカメとビールを片手におずおずと近づいた。

 原元  「あの、実は大ファンなんです。」X'mas10.jpg (17231 バイト)

里中先生「え?あら、ありがとう。」

 原元  「私、『海のオーロラ』も『クレオパトラ』も『天上の虹』も持ってますっ!!」

里中先生「あ、ごめんねぇ『天上の虹』、なかなか続き出せなくて・・・。ううん、それより合唱の練習全然出られなくてごめんなさいね。

いやぁん先生っ!!「それより」ってなんですか!?「それより」ってぇ・・・!先生は素晴らしいマンガを描いてさえ下されば良いんです。歌なんて代わりに私が練習しますから!

*

X'mas6.jpg (13477 バイト)カツ代団長はショーの大成功に思わずホロリと涙を流し、最後に言った。

「ギネスブックに載るまで、何歳になっても続けましょう!」

ええ団長続けましょう!ただし途中で一人、また一人減っていくかもしれんが・・・。

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控え室で乾杯!


2000.12.18

神楽坂女声合唱団クリスマス・チャリティーディナーショーの本番をいよいよ明日に控え、入念なリハーサルっ!!

なんせ、メンバーがメンバーなので、全員集まれるのはこの日が初めてである。少ない練習時間は集中力でカバーしようとみんな真剣っ!私たちのショーはクリスマス・ソングの合唱だけでなく、朗読劇やトーク、ソロで歌うコーナーもあるので、役を任された人は特に責任重大。といっても、役に就いた人はいわゆる有名人の方々。アタシャその他大勢さっ、と高みの見物を決めていたら、突然役が回ってきた!!

それは倍賞千恵子さんのこの一言。

倍賞さん 「『ぞうさんが好きだから♪』を歌うとき、みんなで『ドシン』って地面を踏んだら、

 誰か痩せてる人が『ピョコン』と飛び上がるってどう?」

 一同  「ははは、それいいかも。じゃ、原元さんね。」

 私   「え?」

一同  「決定!」

セ、セリフのある役ではないが、間を外したら命取り。危険な役どころではないかっ!?

しかも、万が一客に意味が判らなければ私が間違えたと思われかねん。

私は保険をかけることにした。

評論家で元文学座出身の吉武輝子さんを誘おう!彼女は朗読劇でみんなを爆笑させる合唱団ピカイチのコメディエンヌなのである。

「あらぁ、いいわねぇ。じゃあ私どうやって飛ぼうかしら。片足?両足?」

と、彼女は大乗り気!「間が勝負よ!」と言いながら、2人で30回くらい飛ばされる練習をした。

*

さて、リハが済んだら衣裳合わせである。

楽譜ホルダーやアクセサリーもシルバーに統一するとコシノジュンコさんから指示が出ていた。

「アタクシは別に回し者ではございませんが、マニキュアはシャネルの06番をオススメします。」と団長の小林カツ代さん。

むむむ。シャネルのマニキュアとは、1本2,800円の代物である。私はソプラノのメンバー約25名に共同購入を持ちかけた。

「この計算でいくと、一人300円で済みますが。」

すると、背後から威厳のあるお声が・・・!

「あの・・・、私もいい?」

も、もしやっ!

そう、振り返ると土井たか子っ(さん)!!

  私   「え?あのマニキュアを買っていただけるのですか?」(何か変な日本語・・・)

土井さん 「おいくら?」

  私   「300円です。」

そこへ、社民党の辻元清美さん登場!(昨夜「知ってるつもり?!」で見たばかりだぞぉ!)

土井さん 「ねえ、辻元、あなたマニキュアどうした?私、今ここで買ったの。」

辻元さん 「ああ、あたし土井さんの借りますわ。」 

  私   「あ、いえ、あの実は共同で使うということで・・・」

辻元さん 「ああ、そう。じゃあいいわ、誰かに借りるわ。」

辻本さんが去った後、土井さんが財布を持ってやって来た。

「これ、二人分ね!」

わぉ!さすが党首!!

しかしよく見ると、私の手のひらには、

500円玉10円玉

・・・?

二人分なら、

500円玉100円玉では?

土井さん、もしかして100円玉10円玉を間違えていらっしゃる?

言った方が良いのかな〜、と顔を上げると周りの視線が、「シッ!黙っとれ!」と言ってる・・・。私は大人しく、

「はい、確かに二人分。」

と言って自分の財布に510円をしまった。90円の赤字である。

ああ、明日が楽しみ。


2000.12.12

忘年会シーズン、チカン防止策として京王電鉄に女性専用車が登場。

我がBBSでは、ついでに「携帯禁止車」、「禁幼児車」も検討して欲しいなんて話題になってますが、私は逆の発想です。

携帯解禁車両を作って欲しい!

絶対電話がつながらないと困る時ってあるじゃないですか。そーいう人だけを集めた車輌ならOKなんじゃないですかねえ・・・。いかがでしょ?結構賛同集められると思うんだけどなぁ。


2000.12.5

本日発売の「週刊朝日」(2000/12/15号)見てくれましたかー?

なんとグラビアに我が神楽坂女声合唱団が紹介されてます!!

取材の日は衣裳合わせ(コシノジュンコさんデザイン)があったので、倍賞千恵子さんや安藤和津さん、竹下景子さん達が試着をし、2週間後の本番より一足お先に紙面でお披露目となりました!

見出しに「チケット完売 史上最強、総勢54人合唱団のド迫力」なぁんて、書かれているのですが、ほんとに異様なテンションの高さです。

私がどこにいるのか探してみて下さいね〜。


2000.12.2

紅茶の王子さまに会いに行くの巻!

「カリスマ紅茶ブレンダー」として、女性誌などで評判の熊崎俊太郎氏のお店に行って来ました。その名も、

「紅茶専門店 カフェ イエスハウス」!!

なんか宗教チックな店だったらどーしよーとか思ったんだけど、店名の由来はイギリスのロックグループYESから取ったそうです。ほっ。

なんでも、この王子さま、中学からの慶応ボーイ!学生時代から紅茶の魅力のトリコになり、紅茶輸入会社などに勤務。紅茶ブレンダーの資格を取得し、日本初の出張ティー・パーティー業を経て念願の紅茶専門店を開いたのだと。

ちなみに親には「水商売やらせる為に慶応に行かせたんじゃない!」と勘当されたそうな・・・。

さて、店があるのは、王子様の母校慶應義塾大学のある田町。席は8席しかないので、予約が必要とのこと。

最近の私の悪友(?)有閑マダムのHさんを誘ってLET’S GO!

看板が無いので、地図を頼りビルの2階の店を見つける。湯気で薄く曇った窓ガラスにお客さんの姿が見える。わあ、きっとすでに店の中は紅茶の気品高い香りと有閑マダムたちのおしゃべりが響くうっとりするような優雅な空間が・・・。

期待に胸を膨らませ、ドアを開け・・・、

はぁ!?

ドアを開ける私の手が止まった。だって、私たちを出迎えたのは、

男!

しかも、むさい男なんだもぉん!!

8畳ほどの狭い店内に、5人の男!!背筋をすっと伸ばし、小指を立ててカップを持ってる!ひえ〜、あたしこのニオイ知ってる。これ、オタクのニオイだ!!

やべぇ、か、帰ろうかな・・・。と、その時!

「あ、いらっしゃいませー。お待ちしてましたぁ。」とカウンターの奥から出てきたのは、黒いベストとパンツ、白いシャツの色白細身の美青年!ま、まさに王子さま・・・。

「ご予約の原元様ですね。こちらのお席にどうぞぉ。」

初めてコミケに行った時と同じくらい勇気を出して奥の席に着いた。

恐ろしく紅茶が似合わない他の客は、常連さんらしい。じっと初顔の私たちを見つめ、王子さまの「初めてなんですか?」の言葉をきっかけに、話し掛けてくる。「僕なんかこの店に通いつめて、もう給料が紅茶代で消えてますよ」とか「週に2回は来てるかな。あ、一日2回来るときも、でもって一日に3杯くらい頼むし・・・。」と自分をアピールする。そこがオタクだっちゅ〜の!

客同士が仲良く(?)しているのを、王子さまは微笑んで聞いている。

そして店のシステムを紹介してくれた。

ルール、「(店が狭いので)原則として、1時間に1回の注文」。

メニューは、

  1. 「世界の珍しい紅茶」・・・世界の茶葉が集まるので

  2. 「店主の気のまま」・・・旬の茶葉など、オススメ作など

  3. 「店主と相談」・・・客の好みや気分で店主がブレンド

    以前「だるだるとだるさに溺れたいの・・・」や「徹夜明けだけど、これから歌舞伎を観に行くから頭をすきっとさせる紅茶をくれ」などの相談があったとか。この店に来る客はかなりイッチャッテルかも・・・。

そして、もちろん我々もこの「店主と相談」をオーダー。

店主 「では、初めてのお客様なので、お好みや注文など、具体的なイメージをお願いします。出来ない時は店主も降参します。」 

 私 「最近情緒不安定なんです。ヒステリックで。『他人を許せる心』を下さい。(これって注文か?)」

店主 「そ、そうなんですか。判りました。お任せください。」

Hさん「じゃあ、私は『ラヴラヴな気分に浸れる紅茶』。最近香りに凝っているんですけど、『イランイラン』のような香りの紅茶で、フェロモンたっぷり出てくるようなのを作って下さる?」

店主 「『イランイラン』系ですね・・・。うーん、やってみましょう。」

イランイランとは・・・。

エキゾチックで濃厚な甘い香りを持ち、性的な気分を高める催淫作用があるところから密かに人気がある。南洋の島の新婚初夜のベットにこの花をまき散らすロマンチックな風習があります。

店主は少し考え込んで、「これから作業を始めるので、少しお話できませんが・・・。」とキリっとした顔で茶葉をブレンドし始めた。きゃ。

カウンターの向こうで一体どんな紅茶ができあがるのか!?私たちだけではなく、他の客も固唾を飲んで見守る。というより、時折長めの前髪をかきあげるしぐさが麗しい王子さまのお姿をうっとり見つめる…。

「お待たせしました。どうぞ。」

10分後、優しい湯気と品のある香りに包まれながら王子さまがポットの紅茶を運んできた。

まず、私の方は、ダージリン・鉄観音茶・カモミール・菩提樹をベースにベルガモットオイルとアールグレイで風味をつけたとても深く味わいのある仕上がり。

アールグレイがお気に入りなので、必ず使ってくれと条件を出したのだが、香りが強いので、優しさとか癒しなどとは正反対の仕上がりになってしまう危険があるのに、これを見事ベルガモットオイルや鉄観音茶でまろやかに包み込んでしまった。飲むほどに、口の中にかすかにオレンジの味が広がって、注文通り、心がやすらいで爽やかな気分になってくる!うっとり。

そして、Hさんの方は、ニルギリ・ウバ・ラベンダー・セージ・ヤロー・矢車草というハーブブレンドのベースに、「アイリッシュミスト」というはちみつリキュールと「アマレット」というアーモンドのリキュールで味付け。

わ!この人天才じゃないの!?イランイランなんて全然使ってないのに、全くその香りを再現してる!!

香りは甘く、けれどお味は、さっぱりすっきり。まさにオトナ好みの紅茶である。

その才能にはホント恐れ入った。

気になるお値段ですが、それがなんと!

たったの1,000円!!

も、儲かるのか!?

私たちは「アールグレイ風味のビスケット」と「カフェ イエスハウス風スコーン」を追加し、王子さまとのおしゃべりを楽しんだ。自分の生い立ちから店名の由来、インテリアはアンティークショップで少しずつ揃えたという話等。紅茶の魅力を判ってもらおうと熱心に説明してくれる。

「全然儲からないんですけど、いいんです。趣味でやってるお城なんで・・・

王子さま、ホントに紅茶好きなのね・・・。

また、他の客は相変わらず私たちと王子さまの会話を聞いていて、自分が割ってはいるタイミングを探しては失敗(!)王子さまの気を引く為か、新たな注文を出す。なるほど、こりゃあ一人で何杯も飲むのも無理は無い。酒じゃなくて、紅茶というところが、健全なような不健全なような・・・。(正直、体力ない時はキツイな、この店。)

でもね、想像とは違ったノリだったけど、この一杯で、充分紅茶の奥深さは感じたよ、王子さま。また逢いに行くね。

店を出た後、Hさんが言った。「あの常連客はみんな『王子さま狙い』っぽいよね。王子様は女に興味あるのかしら・・・?」

王子様のお顔が見たい方は、ぜひお店のHPへ

「カフェ イエスハウス」http://www.ne.jp/asahi/cafe/yeshouse/


2000.12.1

12月に入りました。しかも金曜日。街は早くもゲロでいっぱい・・・。こーいうのって日本だけ?

 

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